竹内栖鳳

最も好きな日本画家というと迷わずこの人。近くの山種美術館にある「班描」を見たのがきっかけで、動物に対する優しい眼差しが感じられる絵の数々は動物好きにはたまらない。今回は、期せずして竹内栖鳳と関係の深い場所を何カ所か訪れることができたのでまとめてみた。

①京セラ美術館
京都市美術館開館90周年記念展「竹内栖鳳 破壊と創生のエネルギー」を開催中。事前予約なしに時間の空いた平日夕方に行ったらそんなに混んでおらずゆっくり見られた。さすが地元だけあって、大きな作品がずらり。ポスターにもなっているライオンとトラを描いた金屏風は圧巻だったけど、掛け軸のネコも班描とはまた違ってキュートだった。

②弘源寺
天龍寺塔頭のひとつで今回たまたま訪れた。先代のご住職と縁があったそうで、小作品とお弟子さんの作品がメインではあったが、点数が多く、しかも近くで見ることができた。さらさらっと描いた動物の筆致はさすが。(詳しくはこちら

③THE SODOH HIGASHIYAMA KYOTO
義姉が予約してくれたイタリアンは、竹内栖鳳の約90年前の邸宅をリノベーションした建物。ディナーだったので、入口や庭園の写真は撮れなかったけれど、かなり広くて立派なうえ、高台寺の目の前という立地の良さはいかに成功した画家だったかがわかるというもの。SODOHという店名は竹内栖鳳邸の「東山艸堂」という名から取ったのだそう。テーブルのそばには、小作品も展示してあった。京野菜を使ったイタリアンはあっさりめで、最後まで美味しくいただけた。今度はランチに訪れて庭などもしっかり見学したい。

④八竹庵(旧川崎家住宅)
最後は、一部に洋風建築が取り入れてある一風変わった贅沢な京町家。紅葉はいつも12月と他より遅いそうなので訪れる人が少なく、貸し切り状態で内部の説明をしてもらい、コーヒーまでいただいた。
見どころはいろいろあるのだけれど、個人的な注目は奥座敷に通じる部屋の欄干で、京都の山並みがパノラマ式に表されている。欄干の端にある落款のようなサインはズームにしたら「栖鳳」と読めた。旅行前に見たBSの旅番組でここを紹介していて、時間があれば、ぜひ訪れたいと思っていたところ。所有者が変わり、取り壊しの危機にあったそうだが、よくぞ残してくれました。