皇室のみやび

お天気が不安定で、桜の開花もすっかりお預け状態なので、花見の予定を変更して、皇居東御苑にある三の丸尚蔵館に出かけてきた。

去年の11月に再開館してから、気にはなっていたけれど、当初は予約が殺到していて、土日は予約が取れなかったが、既に落ち着いたようで、数日前に予約できた。

ギャラリートークの開催時間に併せて時間予約し、今回メインの京都御所桂離宮にある貴重な書物などの詳しい話を聞くこともできた。展示されている中では、写本として残る唯一の「更級日記」のみが国宝だったが、今年、国宝に指定されるだろうというのが、「雲紙本和漢朗詠集」という文字通り、雲のような模様がある巻紙に漢詩・漢文と和歌書かれたもので、長く、教養ある人たちの教科書のような存在となったものだそう。これを編さんしたのが、大河ドラマで町田啓太氏演じる藤原公任。学問にはたいそう秀でていて、家柄もよかったのだが、政治的に恵まれない生涯だったとこのとだが、そういえば、先週の回では、イケメンのお父さんが内裏を去ると宣言して、先行き不安な状況に陥っていた。

その他は、蒔絵が見事なお香の道具一式や、狩野永徳の「源氏物語図屏風」など、いかにもお上に献上されるにふさわしい華やかな品々が並んでいた。そして、驚くのがそのどれもが、数百年、古いものだと千年近く昔に作られたのに、とても状態がよいことだ。やはり持つべき人が持って大切に扱われた証なのだろう。

幸い、雨は避けられたが北風が強い日で、木々の花はまだほとんど咲いておらず、唯一、片隅にあった椿が大輪の花をこぼれ落ちんばかりにつけていたのを眺めただけで、退散してしまった。

もう少し庭園散策によい陽気になったら、また、別の極上の献上品を愛でに来よう。

f:id:ki1823:20240326131755j:image

入口の後方の建物はまだ工事中で、広い展示室がもうひとつできるそう

f:id:ki1823:20240326131914j:image

公任作の「雲紙本和漢朗詠集」で、持っていたのは大河のF4のひとり、藤原行成らしい

 

f:id:ki1823:20240326131943j:image

狩野永徳源氏物語図屏風」は、今年の展示物としては外せないかも


f:id:ki1823:20240326132657j:image

写真では伝わりにくいが、こんなに大輪の椿が大量に咲いてるのは初めて見た!