百段階段

とうとう東京も梅雨入りしてしまった平日の午後、こっそり目黒雅叙園もとい、ホテル雅叙園東京に出かけてきた。
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目的は、東京都の有形文化財に指定されている「百段階段」で開催されている「時を旅する福ねこ」展。開催当初から行きたいと思いつつ、なかなか時間取れず、そうこうしているうちに最終日も迫ってきてしまったので、あわてて出かけた次第。

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百段階段は、雅叙園が作られた戦前から残る木製の階段で、傾斜地に作られた建物の宴会場を行き来するためのもの。向かって右側に7つの和室があり、それらに主に現代作家さんのネコに関する作品が所蔵する浮世絵や日本画と併せて展示されている。

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実物大のかわいらしい像や、様々なタイプの招きネコ、江戸時代の衣装をまとったネコや宇宙ネコなど、どの部屋もじっくり見て楽しめる展示だった。

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その中でも個人的な一押しは、間違いなくこちら。目羅健嗣さんというアーティストの「キネマメラノ座」の展示の中の映画ポスター。「色が三毛の一族(いろがみけのいちぞく)」とはやられた!横溝正史好き×ネコ好きとしては、まさにツボ。元となっているのは、市川崑監督、石坂浩二主演の1976年の、池に逆さまに沈む助清が一躍有名になった作品。出演者の名前が全てネコにまつわるものになっており、石坂浩二→猫坂浩二、高峰三枝子→高峰三毛子といった具合。ポスターの左側にある出演者の顔写真も、同じく全て三毛猫になっている凝りようで、本当に秀逸。他のポスターもよかったけれど、こちらに優るものはなく、写メに収めたものを、これらからも時々ひとりで反芻したい。


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 今回は、9月末で閉館してしまうことを理由に、ちょっと贅沢に特別ランチ付きのチケットを購入した。

高級中華の「旬遊紀」のランチコースは、よい食材が丁寧に調理されていて、味はとても美味しかったけれど、量がかなり少なかった・・・どれももう少し食べたかったが、特に最後の炒飯が少なくてびっくりした。唯一、締めの杏仁豆腐は濃厚だったから、ちょうどよかったけれど。

それにしても、平日だというのに、雅叙園の中はたいそう混雑していた。なにかの会を催しているスーツ姿の団体や、外国人も含め東京以外から来たと思われる方々に加え、ランチ会と思しきお洒落なミセスも多数いらした。実家と義実家からそんなに遠くなく、両親ともども、小さいころから何度も訪れていた場所なので、閉館はとても残念。同じ思いの人が多いようで、あちこちで建物の写真や記念写真を撮っていた。

現在、9月末の閉館までに、まだ行ったことのない、ステーキハウスハマも行ってしまおうか思案中。